物語工学に対する純粋消費者の見解

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面白すぎる。自分で物語を紡ぐ(紡げる)ことはないだろうと思ってたから、「物語工学論」については買うのはどうかなーと思ってたけど、これ読んじゃうとなぁ……迷う。

物語工学論

物語工学論

単行本で190ページか。薄いな。


オチを知るまで死にたくない!ってのはすごく共感する。どこまでも知りたいよ。地球人類のことに限っても、化石燃料依存から脱却できるのかとか、軌道エレベータは作れるのかとか、人類はどこまで版図を広げられるかとか、何年で滅亡するかとか、滅亡原因は何かとか、(もし生き残ってたとして)太陽の寿命問題にどう対応するのかとか……。他に科学・技術関連でも気になることはいくらでもあるし、政治・文化関連だと全く予想も付かない。本当に死んでる場合じゃないw まぁただ、ある意味で傍観者になっちゃってるのが自分の大きな欠点のひとつなんだろうな。


「ストーリー」の存在価値に対する問題提起は意外というか……そこまで危機感を覚えるもんなんだな、と思った。言われてみると確かにキャラクターの方を主に消費してるんだろうな、とは思う。でも個人的にはストーリーをそんなに軽く考えられないなぁ。自分の場合でいうと、いわゆる「日常系」の読み物で購入してるのは、みなみけくらいで、それにしても自分の中では価値が低い方。短編主体というだけなら絶望先生やら、まぶらほやら、色々あるけど、それらは短いだけでストーリーが無いわけではないし。やっぱり僕自身はストーリーが好きだし、キャラクターは添え物に過ぎないというか……言い過ぎかな。
ストーリーに対してキャラクターの持つイメージは確かに強いけど、作品全体から受ける印象として考えると、キャラクターだけでは維持するのは難しいんじゃないかと……現状で難しいだけで、将来的にはそれを可能にする「キャラクターテリング」技術が登場するのかなぁ。一部の(多くの?)人にとっては既に登場しているんだろうか。自分はマジョリティなのかマイノリティなのか。

賀「フルメタの結末、同時刊行で2バージョン出そうかと思ったことありますよ」

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これには驚いた。そういうのも読んでみたい気はするし、やらないで欲しい気持ちもある。ドラマ「24」シーズン1で、ラストでジャック・バウアーの妻テリーが生きていたバージョンの映像を見たが、あれの拍子抜け感は凄かった。はっきり言ってドラマの構成上殺す必要が全く無く、「引き」の最後まで視聴率を確保するために殺したようなものだが、それでも死んだバージョンを「正史」として見てしまったあと、「アナザー」として生きていたバージョンを見てしまうと、途轍もない脱力感があった。軽蔑というか落胆というか呆れというか……とにかくそういった「負の」評価しかなかった。
一方で、エロゲにせよそうでないにせよ、いわゆるマルチエンディングものに対してはそれほど違和感はなく、それはそれで好きだ。
正史とアナザーの区別があるからなのか、他に原因があるのかはわからないけど、とにかくこれについては俺議会でも賛否両論である。

新「でも僕らみたいな人間の遺言状って、そうあるべきだよね。『あの話はこうなりますよ』というのが遺言代わり」

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これは読者として切実にそう思う*1。最初の段落とも結びつく話。作者が死ぬ、ということは、「その作品を見る読者」をそこで殺す、という意味にもなる。絶対にオチを見届けられないのだから。
死ぬのは仕方ないけど、放置してゲームしてる人は反省してほしいもの。ネトゲ中毒の作家どもはネトゲ中毒の声優さんたちを見習うように!w ネトゲと仕事は両立しますよ!www

賀「この本が出てるころにフルメタが出ているかどうかは……たぶん出てません。頑張ってますし、他の仕事入れてないんで安心してください。フルメタが出ないと他の仕事もできないんで。(後略」

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安心したw 期待して待ってますから!

*1:ろくご先生死ななくて本当によかった!