水力発電


水力発電は回生エネルギーらしい。何を回生しているのだろうか?


川の流れは雨から作られる。雨は雲から降る。雲は水蒸気が凝結してできる。水蒸気は地上の水が蒸発することでできる。水は蒸発するときに熱エネルギーを奪う。
つまり、地球の持つ熱エネルギーが水の位置エネルギーに変換されている。この位置エネルギーを運動エネルギーに変えながら、川が流れる。川はその運動エネルギーを、地形の浸食などに費やしつつ、最終的には海の水分子の運動エネルギ−、すなわち熱に還元する。
このサイクルの途中、川で水力発電をするとどうなるか? 水が得た位置エネルギーの一部を電力に変換し、その分、下流を浸食するエネルギーや海に還る熱エネルギーを減らすことになる。
最初に、水が蒸発するときに奪うエネルギーは、そもそも太陽光から得られている。要するに、水力発電は間接的な太陽光発電である。


とはいえ、火力発電も間接的な太陽光発電ではある。過去、何億年にもわたって、植物が光合成によって、二酸化炭素から固定化した炭素を、再び燃やして二酸化炭素にすることによってエネルギーを得ているのだから。
水力発電との違いは時間差、および使用時の自由度だろう。火力発電で使う石油は、いわば過去に地球が受けた太陽エネルギーの「貯金」。貯めておいていつでも使うことができる。水力発電が消費する太陽エネルギーは、わりと最近のもので、しかも貯蔵するとなると巨大なダムを建設する必要があるなど、なかなか難しい。


↑の会見では、「大規模なダムを作るのではなく、小規模な水力発電」と言っているが、これはおそらく、田舎にあるちょっとした水車のような形式で、水力発電をする、ということだろう。なんだか風情がある。昔は臼を回して雑穀などを碾いていたのだろうが、現代では電気を作るというわけか。