状態遷移と時間は等価だろうか? 違うのではないか? ならば時間とはなんだ?

という疑問を持つようになったのは、以前に(多分雑誌「ニュートン」あたりで)、宇宙の始まりは、無からトンネル効果で量子が一つ飛び出し、それがインフレーションを起こしてビッグバンとなったこと、というような記事を見たことに始まる。*1
疑問なのは、その量子が時間を含む、時空のカタマリ*2で、その「外」には空間も、時間も存在しない、ということ。
「状態遷移=時間」であるならば、量子が飛び出る「前」と「後」には「無」の「状態遷移」があり、従って量子=宇宙の外にも時間はある、ということになる。これを否定しているということは、この説の支持者の考えとしては、「状態遷移≠時間」ということになるのだろうか。
状態遷移は離散的変化だが、時間は連続だ、という考え方もある。しかし、トンネル効果や、無から量子が飛び出るなどの考え方の基礎となっている(らしい)量子力学では、時間にも空間にも最小単位*3があると言われていたりするらしく、離散値に帰着するなら結局は状態遷移と見なすこともできそうな気がするのだ。


そもそも、宇宙に始まりがあると考えるだけで、そこには必然的に状態遷移が含まれる。宇宙が「ない」状態から「ある」状態へ変化したから「始まり」といえるわけだから。始まった原因が、ビッグバンだろうがトンネル効果だろうが、「光あれ」だろうが関係なく、この論理だけは成り立つはずだ。つまり、「宇宙に始まりがある⇒宇宙の外にも状態遷移の概念が存在する」というわけだ。この上で、「宇宙の外には時間の概念がない」とするならば、どう考えても「時間≠状態遷移」となる。あるいは、「時間」の概念と「状態遷移」の概念は包含関係にあるのかもしれないけど。


結局のところ「時間」って何なんだよー('A`)

*1:もちろん学説の一つに過ぎず、立証はされていないだろう。ビッグバン宇宙論自体に懐疑的な向きもあるようだし。

*2:というイメージ。但し僕の中での解釈であり、間違ってる可能性を否定できない。

*3:プランク時間プランク長さというらしい。約10^(-44)秒とか約10^(-33)cmとか。質量やエネルギーにもそんな感じのがあるっぽい。